ヘッドライトの黄ばみ取り

車のヘッドライトは長年乗っていると黄ばんできます。
この黄ばみの原因を明らかにして、簡単にできる黄ばみ除去の方法を
紹介します。

■ヘッドライトの黄ばみの原因
車のヘッドライトは、ポリカーボネートという樹脂材料が使われています。
この樹脂が劣化すると変色し、写真のようにライトが黄ばんでしまいます


ポリカーボネイトは耐衝撃性に優れ、ガラスより軽く、フレキシブルな形状が作れる
などのメリットがありますが、表面が柔らかく傷つきやすい、紫外線による影響を受け劣化する、有機溶剤などに弱いなどのデメリットがあります。

新車時はコーティングがされていますが、長年の紫外線照射によりコーティングもはがれてしまうため、ポリカーボネイト樹脂の劣化は避けられません。

 駐車するときはできるだけ日陰に止める、太陽の向きを注意することで少しでも
紫外線による劣化を避けることができますね。



■ヘッドライトの黄ばみの除去
※この方法はポリカーボネイトの応力腐食性を利用した方法です。
ポリカーボネイトの表面にできた黄ばみを腐食させ、削り取る方法ですので、材料自体にはダメージを与える方法です。
【手順】
①アルカリ電解水をヘッドライト前面にまんべんなく塗布する。
その際に周囲の塗装にはかからないようにする。
付着したら、アルカリ成分が塗装面に残らないように作業完了後に水洗いをする。
電解水を塗布すると下画像のように、濁った液が垂れてきます。

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②激落ちシリーズのダイヤモンドパッドで水をかけながら横方向に削っていきます。
決して水なしでの ”空砥ぎ” を行ってはダメです。傷ができます。

 

 

③塗布したアルカリ電解液が黄色に濁っていきますので、布ウエスなどで拭き上げます。これをアルカリ電解液が黄色く濁らなくなるまで繰り返します。
パラパラと小さな破片のような塗膜剥がれてくるようだったら完全に除去できるまで砥ぎます。

下の写真は黄ばみ除去のために使用した布ウエスです。(左:使用後、右:使用前)

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④これだけでもきれいにはなりますが、表面がまだ荒い状態なので、市販の研磨剤で傷をならします。
以上により黄ばみ自体の除去は完了です。
【注意点】
水の激落ちくんpH11~12くらいでの実験結果です。アルカリ液を使用すると材料へのダメージが大きいためやめたほうが良いです。
作業後は必ず水で洗い流してアルカリ成分を除去してください。
強いアルカリ成分に長時間暴露し、成分がレンズ内部へ浸食するとクラックや変色の原因となります。

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